東京支部
2005年4月1日

地球一体化へ

千葉 謙吾
米国財団法人国際平和文化センター代表理事


地球温暖化やオゾン層破壊、森林破壊などの地球環境問題や、各地で止まることなく繰り広げられるテロや地域紛争、難民増加など、深刻化する地球規模問題の解決に向けて、微力ではあるが尽力したいとの思いで一九九九年四月に米国と日本(12月)に法人「国際平和文化センター」を設立しました。

日本でも、昨今、青少年の凶悪な犯罪が社会問題となり、将来を託する青少年を取り巻く環境は悪化の一途をたどるばかりです。益々複雑化を増すこれらの難問を解決するには、世界各国の人々が今まで以上に知恵を出し合い連携協力を強化する必要があり、これらの問題と不可分の関係にある「地球の平和と安全」を次の世代に伝えるため、「青少年育成世界フォーラム」等を開催しながら研究と開発に推進しています。

仕事で訪れたことがある米国の首都・ワシントンには有名な桜の名所がある。桜の季節にはポトマック川のほとりを散策し、落下紛々の花びらにつつまれ語り合う人々に、先人の労苦を思い起こす。
この桜こそ、一九一二年(明治四十五年)、当時・東京市長であった尾崎咢堂先生が米国に贈呈した三千本の苗木が育ったものであり、「日米友好のシンボル」である。
桜の返礼にと米国からは一九一五年(大正四年)にハナミズキが日本に贈られている。
「人生、百に満たざれば、常に千載の後を憂えよ」(人生は百年に足りないのだから、つねに千年先を考えよ)との尾崎先生の信条が米国の地で見事に花開いていると言えよう。
麗しい友情のこの桜に対し、日本が国家主義の道を突き進んでいくと、「尾崎は桜をアメリカに植え、日本の魂を外国に売った」などと、理不尽な非難をされるようになる。まったく偏狭な国家主義の環境に浸っている人々は、平和への真心も歪曲して見えてしまうこともある。
その中にあって、生涯、「戦争は犯罪行為だ」と叫び、戦い続けたのが、ほかならぬ尾崎先生であった。
昨年の生誕100年祭に招待を受け同センターでは、青少年にもっと尾崎先生の正義の行動を知ってもらいたいとの思いで、先生の生誕地である神奈川県津久井町で「尾崎行雄杯青年演説大会」を毎年11月に開催して好評です、17年も11月24日に開催致します。
尾崎行雄を全国に発信する会主催の企画協力をNPO法人公共政策センターとして開催し、支援をさせていただいている。優劣だけを目標にしない青年たちの演説に、真摯にものを考える青年が育ちゆくことに目を細めているのは私一人ではないでしょう。

現在、「地球一体化の時代」に入った、と言われ久しい。すべての人が共に幸福に生きる世界には、何が必要か。 アインシュタイン博士は、「人間は、私たちが宇宙と呼ぶところの全体の一部である」「私たちの慈愛を、生きとし生けるものへ、そして、美しい自然全体へと広げることだ。人類が生き残るためには、これまでとは大いに異なる新しい考え方を持つ必要があるのだ」と語っている。また博士は、子どもへの手紙にもこのように綴っている。
「野心やたんなる義務感からは、ほんとうに価値あるものは生まれません。それは人類や相手にするものへの深い愛情や献身の気持ちによって、生ずるのです」(日暮雅通訳『アインシュタイン』偕成社刊)と。
自身の考え、境涯が変われば、そこからの視点・考えはおのずと変化し、周りの環境をも変えることがことができる。

ニューヨーク市内の殺人率を七年間で六七%減少させたジョージ・ケリンズ博士は、小さな乱れの放置が街の治安悪化を引き起こすとの「割れ窓理論」を提唱しているが、これは環境が心を変化させた逆のケースであろう。ケリンズ博士はNPO法人日本ガーディアン・エンジェルス主催の講演で、犯罪予防理論を提唱している。
 原因を他人のせいにすることもできる。しかし、そこには他を責めることはあっても、寛容になることはない。自分だけがよければいいというのではなく、この相手を思う気持ち、相手の立場に立った考え方が今、必要ではあるまいか。日常の悪質な事件事故にたいしても、政治や警察に任せるだけでなく,事前の注意と自己責任がとれるか 痛感せざるを得ない。近隣との付き合いがある程度の距離を置いても必要ではないでしょうか。

私自身、微力であるが自治会 会長として地域の安全のため防犯、防火のパトロールを心がけ実行ています。人のために行動する姿こそ、最高の価値を生む人生と自負しています。

先日、「日中の文化関係を考える−相互認識のずれを中心に−」(法政大学国際日本学研究センター主催)のシンポジウムの内容を伺った。 サッカーのアジア・カップ決勝戦での一部の中国サポーターにみられる行動に日本のマスコミは、一斉に日中文化の差違、これまでの歴史観の違いをクローズ・アップしていた。シンポジウムでは日中両国の国交正常化から三十二年経って、経済交流が大きく発展するなかで、同じ「漢字文化圏」だからとの「おごり」から、慣習の違いなど相互の理解不足を指摘していた。二千年以上の交流がある隣国・中国でも、この通りである。
王敏教授は著書の中で「日本は中国の鏡、中国は日本の鏡だと思う」「『和して同ぜず』。日中双方とも謙虚になって勉強して、等身大で交流していきたいと願わずにはいられない」と語っていた。
尾崎先生は八十年前、日本が内政、外交、財政の面で行き詰まっていた時に「それは日本人が『傲慢無礼』になったからである。だから、世界から嫌われる。だから、行き詰まる」と喝破された。
日本は米国に次ぐ経済大国に成長し、バブル経済の痛手からも抜けだし、やや明るい兆しが見えてきた。国連でも日本の責任を果たすべく、国際貢献に尽力し常任理事国入りを目指し、努力を開始している。しかし、国際社会の信頼は経済が豊かだから、国連の拠出金の割合で決まるものでもない。

今こそ世界の国々をわが鏡として、謙虚な心、寛容な精神で、「地球一体化の時代」の難問解決に貢献する時に来ていると思う。 七十代半ばに尾崎先生は、「昨日までは、人生の序幕で、今日以後が其の本舞台だ」と叫ばれた。夢と希望の人生を実現するために「さあ今日から!」「さあこれから!」との思いで、今後の後継者、青少年を育てていきたい。


千葉 謙吾 プロフィール

国家警備株式会社 代表取締役
米国財団法人 国際平和文化センター 代表理事
株式会社 インターサービス 相談役
株式会社 セキュリティセンター 相談役
株式会社 資源開発センター相談役
特定非営利活動法人 国際平和文化センター 代表理事(NPO法人)
特定非営利活動法人 公共政策センター 代表理事(NPO法人)
AMERICAN EASTERN SECURITIES, INC. 相談役
サンハートUSA株式会社 相談役
ファイナンスバンク投資事業有限責任組合 

相談役1950年12月26日 岩手県生まれ (虎年、O型)
藤沢高校卒 立正大学経済学部卒 大学卒業後渡米、オイルショックの時期今後の警備業界に興味を持ち、国家警備株式会社を設立。数社の代表取締役、会長、相談役、顧問、理事を兼務。
 
 28年を経て現在は、国際ロータリー第2750地区8年、地区社会奉仕委員1年、地区青少年交換委員(危機管理担当)2年6ヶ月の経験を生かし、田園調布二丁目自治会 会長、立正大学同窓会理事兼財務副委員長、日本科学未来館、宇宙開発利用制度研究会 幹事、 警視庁東京銃砲安全協会連合会、田園調布銃砲安全協会理事、中学校避難訓練会長、田園調布警察懇話会、交通安全、防犯協会、丸の内警察懇話会、丸の内防犯協会 丸の内警備連絡協議会 、田園調布消防懇話会、防火協会、火災予防研究会、防火管理研究会役員等、国内外と近隣地域ボランティア活動に積極的に活躍。
 
 警察学校人間学講座「危機管理」「夢は必ず叶う」講師、立正大学経済学部就職相談役、青年経営者協会教授、『計画と実行』『経営の基本』文京女子学院大学・文京女子学院短期大学・文京女子学院大学高等学校、生涯学習センター講師、田園調布小学校、田園調布中学校運営にかかわる地域教育連絡協議会委員、も務めている。

妻、長男(会社員)、長女(アメリカ留学中)、大ちゃん(ゴールデンレトリバー)
趣味(射撃、ゴルフ、映画、旅行)               

(財団法人 尾崎行雄記念財団  「世界と議会」 20004年12月号掲載文)


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